中澤照子様
1941年東京都生まれ、保護司として20年間活動、延べ120人以上の非行少年の立ち直りを見守ってきた。
保護司退任後もCafelalaオーナー、YouTubeチャンネル開設と活躍中。
2018年には藍綬褒章を受章。
少年達にふるまった一皿のカレーは「更生カレー」と呼ばれるようになり、今も世の中に元気を届けている。
※保護司とは
保護司とは、犯罪や非行をした人の立ち直りを支える民間のボランティアです。
保護司法に基づき、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員とされていますが、給与は支給されません。
中澤様は、1998年から2018年までの20年間、東京都江東区で保護司として120名以上の方々と向き合ってきました。
その7割が犯罪や非行をした少年少女たちです。
一人ひとり置かれている家庭環境や性格、犯した罪の内容、困りごとは全く異なりますが、
そんな子供たちと繋がり見守ってきた中澤様に、コミュニケーションツールとしての役割も大きいミライムの在り方についてヒントを得られないかと、お話しする機会を頂きました。
まず、近所の子供たちとどのように接していたかお聞きしました。
時代の流れで今はなかなか難しいかもしれないけれど、と中澤様は前置きしながらも
「子供たちに通りすがりに声を掛けるときは名前で呼ぶように意識していました。それは、名前で呼ばれた時に子供の喜ぶ顔がダイレクトに見られるから。」
「名前の分からない子には”ヤッホー"って声を掛けると私の事だって思ってくれる。そんなことを15年くらい続けていて、”ヤッホーおばさん”って呼ばれるほどになっていました。」
声掛けから子供たちと接することを心掛け、喜んでもらう、知ってもらう、ことから始められたそうです。
今のコミュニケーションで中澤様が感じることについてお聞きすると、
「以前は、打てば響く親御さんや子供がいたが、今はレースのカーテンみたいに意外と見通しは良さそうなんだけども、そのカーテンがなかなか開かないみたいな。」
と、子供だけでなく親世代の変化についても感じることが多くなったと語ってくださいました。
確かに今のコミュニケーションは、手軽にメールやSNSで行うことで、一見スマートなようですが、その反面、本音が隠れて見えづらいところがあると感じます。
中澤様がこれまで子供たちを見守ってきた、「見守る」ということについて尋ねました。
「見守るっていうと、なんとなく行動も伴う感じするじゃないですか。だけど、行動が伴わないで見守ってるのは、ただ第三者として見てるだけっていう感覚だと思う。」
私たちも気を付けなければならない大切なことだと感じました。
ミライムはコミュニケーションのためのシステムでありながら、そのコミュニケーションが希薄とならない、むしろより濃いコミュニケーションとなるよう心掛けて開発していかなければなりません。
中澤様がこれまで長年続けてきた子供たちへの読み聞かせや交流を通して、感じたことについて尋ねました。
「小学生なんかに読み聞かせを続けていると、子供はどんどん変わりますね。本を読む時間が増えたと言ってくる子もいたり、今度読んでもらいたい本を持ってきたと言ってくる子がいたりね。」
「大人なんかでも刑務所の中で詩を書いたとか、刑務所の中で妹に手紙を出したとか。変わる子供はたくさんいますよ。」
「読み聞かせの次には誰かの為に文章を作ってみようって言ってみるの。そうするとピタッと付いてきてくれる子供がいる。」
「語りは、語り手の雰囲気や語り方によって子供が感じるものが全然違うのね、だから、今のこの時代のもの(ツール)で送ると、子供にはただの一色だけ感じる気がするけど、やっぱり人が介入すると色合いがいっぱい出てくる。この便利な機械の中で、その色合いを出していくのはなかなか難しいでしょうけどね。」
画一的であるほど便利な面もありますが、私たちが忘れてはならない、人が使うツールを提供しているという初心に戻らされるエピソードでした。パソコンを使ったコミュニケーションの中にも、受け取る側がそれぞれの色を感じられるような仕組みを考えていかなければならないと感じました。
「メッセージへの返しがあると、ちょっとしたやり取りがあって参加型になっていいですね。」
ミライムにはメッセージの『未読確認』機能がありますが、一方通行的なものです。利用頻度の高い機能であるからこそ、送る側の視点にも立った双方向のコミュニケーションに進化させたいと考えさせられました。
『学校用グループウェア ミライム』は、先生方の業務の手間を軽減することで生まれる「子どもたちと向き合う時間」の確保を目的としたソフトウェアです。
システムを使うのもまた人、という当たり前のことは分かっているつもりでしたが、中澤様のお話を伺う中で、まだまだ出来ていないことが浮かんできました。
私たちが提供するのは、使いやすく、コミュニケーションを円滑にするツールであるべきだと初心に戻ることが出来ました。
紹介しきれないお話も多々ありますが、今後も色々とアドバイスを頂きながら良いコミュニケーションを提供できるよう精進したいと思います。
インタビューに答えてくださった高橋氏
ミライムをはじめ各メーカーを取りまとめ全体の方向性を示すコンサルティングの役割を担っているのが株式会社高文です。
株式会社高文の事業開発部本部長である高橋芳徳氏に、ミライムでの提案について伺いました。
私が本部長を務める事業開発部は、ソリューション営業のチームと技術部門、商品開発部門が揃っているため、導入後の技術的支援も含め、お客様に寄り添った提案が可能です。お客様の抱えている課題に対して解決策を示すことがソリューション営業であり、学校現場が抱える課題へも提案をしております。
株式会社高文の理念(HPより引用)
弊社の企業理念の中に「お客様に安心感、信頼感、期待感そして楽しさを提供できる、新しい専門商社を目指す」というフレーズがあります。
弊社のサポートを含む提案で安心感を持っていただき、良いコミュニケーションが楽しさに繋がる、そんな提案に取り組みたいと思っています。